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音響反射板:納品完了! [ホールの音響改善]

卒業式を控えた大学の講堂に
ようやく完成した音響反射板が納品されました。

反射板は高さが約2.4mで重さは120kgもあります。
重量がないと反射板としての機能を満たさないのです。

講堂は地下一階にありますが、
エレベーターに載らないため、
一台ずつ階段で運びます。
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計6台の反射板を運び込み、
組み立てていきます。
YWR07.jpg
パネルにはキャスターが付いており
比較的簡単に移動が可能です。
ただし、このままでは安定性が悪いので
パネルを安定させるための底板を後ろに取り付け
斜めのステーで固定ていき、
最後に底板に重りを載せます。
これで反射板はがっちり安定します。
YWR08.jpg
ちなみに、舞台装置の世界ではこの構造を
「人形(にんぎょう)」といいます。
背景の書割などを固定するのにつかわれる方法です。

YWR06.jpg
昨年改修した舞台の壁面に合わせ
サクラ材のリブパネルを張った音響反射板が完成しました。

その効果を実際に確認するため、
学部長先生自らが舞台に上がり、
ピアノに合わせてバイオリンを演奏してくださいました。
YWR09.jpg
反射板を設置する前よりも
一音一音がくっきりと聴き取れるようになり
臨場感がさらに増したようです。
先生方も気持ち良さそうに演奏されていました。

無事に納品を終え、ホッとしながら
ミニコンサート気分を楽しませていただきました。
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音響反射板:色決め [ホールの音響改善]

音響反射板のスチールフレームの色を決めます。

パネルはサクラ材にクリア塗装
オレンジがかった明るい茶色です。
そのパネルを支える骨組みの色もおろそかにはできません。
木目を引き立たせる色の組み合わせを模索します。

YWR04.jpg
日本塗料工業会の色見本から
まず4色を選びました。

N-10 (黒) 一番目立たない色
09-40L(茶色) 木パネルに近い色
15-20B(こげ茶)黒に木の色味が加わった色
22-80H(ベージュ)舞台の床面に合わせた色


クライアント(大学)の担当部長にご説明し、
協議の上でこげ茶に決定しました。
シックな組み合わせ。
いい感じだと思います。
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音響反射板:鉄工所にて [ホールの音響改善]

昨年改修を手掛けさせていただいた
某女子大学の講堂に
衝立型の音響反射板をつくることになりました。
昨年の改修が好評をいただき、
この際せっかくなので、出来る限りの改善をして
コンサートなどにも対応できるようにしてほしいと
予算を付けていただいたのです。

現在、舞台の後壁と両側壁が音響反射面となっているのですが
両袖の奥側に幕が吊ってあるため、
どうしても、音を吸ってしまいます。
その前に可動の反射板を置くことで
更に響きが改善されるのです。
YWR01.jpg

既製品もあるのですが、
どうしても並べたときに舞台の雰囲気を損ねてしまいます。
サクラの森をモチーフにした壁面のデザインに合わせ
舞台に並べたときに周りの壁面に溶け込むような
反射板を特注することになりました。

鉄骨のフレームに木製のリブパネルを張った構造となります。

収納スペースが限られているため
組み立て式にしました。
後ろに張り出したフレームに重りを載せて
安定させる構造としています。
舞台装置で使われている手法です。

YWR03.jpg

一台だけ先行して骨組を作製してもらい
鉄工所にお邪魔して
安全性や使い勝手について検証を行いました。
YWR02.jpg
安定性を高めるためキャスターの位置を変更たり
筋交いの止め方を調整しました。

またフレームの足からキャスターがはみ出てしまうことが判明。
足の鉄骨を少し大きなものに変更してもらうことになりました。

図面だけでは分からなかった問題が明らかになるので
工場での打ち合わせはとても重要です。
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サクラサク舞台 [ホールの音響改善]

某女子大学の講堂の改修工事が無事完了しました。

YWR01.jpg

音響効果を高めるために張り巡らせたリブパネルには
桜の突き板が張られています。

この講堂が入っている新校舎の敷地には
以前、桜の林があったそうです。
校門から続く桜並木がその名残をとどめています。

今回の音響反射壁のデザインテーマは
かつてここにあった桜の林の記憶をとどめておくこと、でした。

交錯するリブは見る方向によって光を反射したり、影をつくったり
視点を動かすとゆらゆらと揺らめくように光が揺れます。
花びらの間からこぼれおちる春の光に・・・見えるでしょうか?

音響効果のほどを確かめるため、
実際にピアノを弾いていただきました。

DSC_0446.jpg

以前とは格段に広がりのある反射音が
ホール全体をやわらかく包み込むように響き渡りました。
想像していた以上にいい響きで、ちょっと鳥肌モノでした。

ごきげんなリブ [ホールの音響改善]

「ごきげんよう」のごあいさつが聞こえてくる某女子大学の
講堂の舞台壁面をリ・デザインするお仕事が進行中。

もともと大教室仕様で作られているために音の響きが抑えられており、
卒業式などで、オーケストラの生演奏を行う際に、
少しでも音響をよくしたいという相談をいただきました。

音響コンサルタントに相談を持ちかけ、
現地で実際にピアノとバイオリンを演奏して実験を行った結果
リブ付きのパネルを舞台の後壁面と側壁面に貼り回すことで
かなりの改善が見込めることが分かり、
基本方針は固まりました。
さて、問題はそのデザイン。
コストも抑えつつ、工期も短くという諸条件を考え、
2種類まで限定したリブパネルを、
単純な正三角形モチーフの組み合わせで展開することに。

さて、どう見えるのか?
それは出来上がってのお楽しみ…という訳にはいきません。
一番気になる仕上がりをモックアップをつくって確かめました。

DSCF0650.jpg

図面だけでは、ピンと来ていなかったお施主さん方もホッとしたご様子。
なかなか気に入っていただけた様です。
その横顔を見ながら一番ホッとしたのは、ほかならぬ設計者でした。
気になっていたリブの小口処理も問題ないことを確認し、
さぁ、工事が始まります。

全体でどう見えるのか?
それは出来上がってのお楽しみ!

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